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そこにヒントが降りてきた―美術展へ「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」展@東京都庭園美術館

更新日:9月26日


宇宙人に会ったらこんな感覚なのかな…

いやいや、

先輩に会えたような感覚という方がしっくりくるかも…


複数のガラスのオブジェ
ガラス作家三嶋りつ惠さんの作品


旧朝香宮邸の格式高い空間に

鉄とガラスの作品が飾られたのは

昨年の11月末から今年の2月までのこと。


私が訪れたのはまだ寒い2月のはじめ。 冬の短い日差しの中で作品がふわりと

浮き立つようでした。


繊維を扱う私にはまったくの異世界ですが、

私が表現したいテーマや切り口を

教わったような気がします。



いくつものカラフルな石鹸が塔のように重なったオブジェ
石鹸のタワーが新鮮でした。



だからかもしれません、

前回の記事で書いた展覧会への出展を前向きに

考えようと思ったのも。



 私には表現されるべき世界がある。


 私には当然のように見える世界がある。

 周囲の人も同じように見ていると思っていたけれど

 実は私にしか見えていない世界  というものがあるようだ。


 その世界が形を成したいと言っている。

 私の仕事はこれから始まる。



そんなメッセージを受け取りました。


私にしか見えない世界というのは

私が特別だと言いたいわけではなくて


同じものを見ていても、ひとそれぞれ見え方や捉え方が違う

という当たり前といえば当たり前のことなのです。


ただ、その私に見えている世界の声はとても小さくて

ちゃんと耳を傾けなければ聞こえないくらいの小ささで

これまでの私はその小さな声を聞かずにいたり

聞いても信じようとしなかった

ということなのです。




部屋いっぱいの球体の鉄のオブジェ
彫刻家青木野枝さんの作品。


けれど、ふたりの芸術家は

それぞれの世界の声を

丁寧に拾ってちゃんと向き合っている。


だから、私にとっての先輩であり、

まったく異次元のレベルにいる宇宙人でもある

というわけなのでした。


ブログの記事を書くために撮りためた写真を見直す機会があってよかったと思っています。整理して書くことで、今の自分にどのようにつながっていったのかがわかるからです。




イン壺の口の部分がフィニティの形をしたガラスのオブジェ
冬の光が作品を美しく演出していました。


彫刻家の青木野枝さんのノートに記された言葉がとても印象的だったので、

ここに抜粋します。


私は世界を彫刻をつくっていくことでわかろうとしてきた。今、思うことは、すべてのものは流れのなかにあり、変わらないものは何もないということ。そのなかで時間に対して自分のできることは彫刻をつくって置いていくこと。私にとって、世界はこう見えているということをあらわしていく。それは他の人に対するコミュニケーションの手段だと思っています。私はこう思う。あなたは?と。


彫刻家青木野枝さんのアイデアブックの数々
創作のプロセスが垣間見れるスケッチブック。素敵です。

青木野枝さんの直筆のメモ。
青木野枝さんの直筆のメモ。


そういうことなのだと

大きく納得した私がいました。


「私なんかがこがましい」とか「私にできるわけながい」という謙虚とえば謙虚な、けれど変化を嫌う声の方が大きくてついつい納得してしまうのですが、作品を作るってそういうことじゃなかった。


純粋にコミュニケーションの手段なのだとしたら、

私に降ってきたインスピレーションは表現しないといけない。


ただそれだけのことなんだ。


そんな風に視点が変わった瞬間でした。

だから、私も作品を作って展覧会に参加しようと素直に思えたのでした。


ありがとう




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